いざFXを始めるにあたって重要なのがどこで口座を作るのか、その業者選びです。
現在、国内・海外合わせて数十社もの業者がありますが、その中からもっとも安全でトレーダーにとって有利な口座を選ぶためには何を知り、何を重要視すべきなのか、必要な知識をまとめてみました。
これから口座を作る方は是非読んで理解してみてください。
すでに口座を持っている方も再確認してみてください。
結論だけ解れば良いという方は、次のページへ進んでください。
MT4とは
グローバルスタンダード、世界的に標準とされている取引プラットフォームシステム(トレード用のアプリケーション)のことです。便利な機能が多く、最強のトレードシステムと言われています。
スプレッドとは
売値と買値の差のことです。
相場は常に買う時の値段と売る時の値段があり、この2つが変動しています。
この差は業者によって違います。業者が自由に決められる手数料のようなものです。
レバレッジとは
「てこの原理で、少ない証拠金で大きなお金を動かせる」と聞いてもイマイチぴんとこない人が多いと思います。さらには、「ハイレバレッジは危険」といった間違ったイメージを持ったままの人もいるので、一度ここで深く理解しましょう。
例えば、あなたが1ドル100円の時に1ドル買い、1ドル101円の時に売ったとします。
あなたは100円使って1ドル買って1円儲けたことになります。
この儲けを1万円にするには、あなたは1万ドル買わなくてはいけません。
1ドル100円なので、1万ドル買うためには100万円必要になります。
つまり、
100万円使って、1ドル100円が101円になって、やっと1万円儲けることができるのです。
逆のパターンを言えば、
100万円使って、1ドル100円が99円になって、やっと1万円損することができるのです。
これってすごく効率が悪くありませんか?
ここで、FX業者が作ったレバレッジという仕組みは、
「それなら1万円、口座に入れてくれれば、もし1ドルが99円になったらその1万円をもらうから、君が1万ドル買ったことにしていいよ。もし1ドルが101円になったら君は1万円儲かるよ。」
という事です。
この場合、レバレッジは100倍ということになります。
この仕組みのおかげで、トレーダーは余計な資金を用意する必要がなく、結果を補償できる分だけ買える(もしくは売れる)ようになりました。
業者側はスプレッド分で手数料を取っているので、資金がない人でも利益を出せば、その分の手数料で利益が出るため、いかにトレードをして利益を出してもらうかを考えているのです。(※海外業者の場合)
しかし、このレバレッジは国内業者だと最大わずか25倍までという制限があります。
一方海外業者には規制がないため、業者によって最大500倍、888倍、さらにはなんと1000倍ものレバレッジが利用できるところまであります。そこまで大きなレバレッジも必要ないですが、大きい事に越した事はないこと、最低でも100倍以上はないと話にならないというのが実情です。
強制ロスカットとは
さっきのレバレッジの説明で、「1ドル99円になった時、口座の1万円をもらう」と書いた部分がありました。
そのとき業者が行った処置が強制ロスカットです。
口座内の資金が0以下のマイナスにならないように、資金に対して含み損が各業者が決めた割合(%)を下回ると自動的にポジションを解消(決済)する救済措置があります。
これによって、資金が0以下になるのを防止しているのです。
しかし、もしも急激な値動き、突発的な値暴れによって、この安全措置が作動しなかったらどうなるでしょう。そこで重要なのが「追証の有無」です。
追証とは
追加で払う証拠金のことです。
すべての国内業者には追証の義務が発生し、すべての海外業者には追証がありません。
国内業者を利用して、万が一強制ロスカットが作動せず損失が出た場合、その損失分は債務(借金)扱いとして請求されてしまいます。
しかし海外業者に追証はありません。
ゼロカットシステムといって、仮に口座資金以上の損失が出たとしても、その損失分は業者が被り、口座残高はマイナスからリセットされる仕組みになっています。
(このため、あまりにも大きな値暴れが予想されるイベントの前などはレバレッジに制限がかかることがあります。例えばフランス大統領選挙前には888倍だったレバレッジを一時的に100倍までに引き下げるなどの対策がとられました。)
国内業者と海外業者の違い。
これまでの説明で何度か言葉が出て来たように、FX業者は大きく分けて国内業者と海外業者の2つに分類できます。
この2つは国の規制(金融庁の命令)の違いなどによりまったく異なる方式を取っているのですが、
現段階において国内業者を選ぶメリットは無いというのが実情です。
それどころか国内業者にはトレーダーが不利になるような不透明な実態があるとまで言われています。なぜそうなっているのか、その理由と仕組みの違いを確認していきましょう。
国内業者はDD(OTC)方式。海外業者はNDD方式。
国内業者のDD(OTC)方式とは、ディーリングディスクがある、
オーバー・ザ・カウンター、(カウンターを介する)方式のことです。
これはトレーダー達のオーダーをディーラーが決算する仕組みのことです。
ディーラーは顧客同士の注文を相殺したり、注文を呑んだりして運営します。
9割が負けると言われている国内FXの中で、すべてのオーダーをインターバンクに通すよりも、その間にディーラーが入って取り仕切り、負け組トレーダー達の負け分によって1割の勝ち分を支払い、残りの負け分をディーラーが取ったほうが利益になるからです。
このように国内業者はトレーダーの負け分がディーラーの利益になる仕組みであるため、手数料(スプレッド)で稼ぐ必要がなく、スプレッドを狭く設定することができ、一見パフォーマンスの良さそうなトレード環境を演出し顧客を誘います。
しかし大前提としてトレーダーの負け分がディーラーの利益になる仕組みであることに変わりなく、
・実際にスキャルピング(超短期的な売買で利益を取っていくトレード手法)で利益を出しすぎたトレーダーが口座を凍結された。
・有利なオーダーがなかなか通らなかった。(約定拒否)
・チャートに独自のズレや値動きが起きてストップ狩り(損切りラインにタッチさせること)が起こっている。
・海外業者のMT4で見るチャートの値動きと国内業者の独自のプラットフォームで見る値動きが一致しないことがあった。
などと言う話が後を絶ちません。
事実としてスキャルピング行為が禁止されていることや、世界的に標準的なMT4も国内業者ではほとんど使えるところが無いということも不自然な点です。(余談ですが一説によればMT4を使用されると勝たれすぎるからという話まであります。)
さらにレバレッジは最大25倍、追証有りと、はっきり言って良い所が一つもありません。
一方海外業者はNDD方式。
NDDとは、ノー・ディーリング・ディスク。
つまり顧客のオーダーがそのままインターバンクに直結している方式のことです。
海外業者の手数料は国内業者よりも少し高め(スプレッドが広め)です。
海外業者は手数料で稼ぐため、トレーダーが利益を出して、自分達の会社をより多く長く利用すればするだけ自分達も儲かるのでそれを望んでいます。
このようにトレーダーの利益が自分達の利益にもなる仕組みで運営されているため、極めて透明度の高いチャートやスピーディーな約定力を提供するためにインターバンク直結の方式をとっています。そして非常に大きなレバレッジを追証無しで利用できるようにすることで、少ない資金からでも安全にトレードを始められるようにしていたり、トレーダーにとって有利なMT4をあたりまえのように使えるようにしていたりと、かなり好意的な条件を揃えてトレーダーを歓迎しているのがわかります。さらには独自に豊富なボーナスポイントまでつけている業者もあるくらいです。
お互いの利害関係が一致しているので、win-winの関係を築くことが出来るのです。
この関係性はFXをしていく上でかなり心強いアドバンテージとして実感できます。
まとめ
以上のことをまとめると、口座選びで特に重要視するべきポイントは、
・NDD方式かどうか。(オーダーが市場に直結してるかどうか)
・レバレッジは大きく利用できるかどうか。
・取引プラットフォームにMT4が使えるかどうか。
・ゼロカットシステムはあるかどうか。(追証はないかどうか)
この4点だと思います。
金融庁からの規制まみれの中、顧客の損失から利益を取るしか運営方法がない国内業者と、
手数料で利益を取る代わりにトレーダーには勝ってもらいたいと思っている海外業者。
この二つを比べたとき、その有利さは一目瞭然。海外業者一択しかないのが現状だと思います。
個人的には同じ日本人として国内業者にレバレッジ500倍以上、追証なしでやって欲しいところですが、こればっかりは仕方がないですね。